雨の中を泳ぐ日々

思いつくがままの気分の記録

舞台「GOZEN-狂乱の剣-」を観ました。


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先週の土曜日に池袋サンシャイン劇場で見てきました。この劇場はいつ以来と思ったら、深川麻衣さんが乃木坂46を卒業したあとのお芝居「スキップ」以来という気がします。

今回は同じく乃木坂46を卒業した若月佑美さんが出演されるということで、見に行きました。

感想を簡単にではありますが、まとめておきます。

筋書きは殺された父の復讐として叔父を狙う息子という話から、死者の蘇りという話に進んでいきます。有り体にいえば、前半はうつけという設定でハムレット風の復讐を、後半は山田風太郎さんの「魔界転生」になります。主人公も最後死んでしまうので、悲劇っぽくまとめていますが。ハムレット風の戦いの流れでいくほうが話は深みがあって面白かった気はしますが、そこはそういうものか。後半のエンタメ要素がないと、あの「秘剣」技が活かせる場面もない。

2.5次元風な上にビジュアル重視の舞台という感じだったので、もちろん客層の主体は女性陣。そこに若月さんファンの人がいる様相、、、違うジャンルのファンの方々がいる空気は面白いものでしたし。個人的にはそういう芝居、得意ではないので、若月さんじゃなければ、多分行かないジャンル。実際のストーリーは、そういう元ネタ切り貼りっぽい部分がありながらも、うまくまとめていたと思います。最後までそれぞれの剣客や武将への見せ場をきちんと作ったりとか、こういう活劇中心のお芝居での作り手のフォーマットみたいなものをきちんと守っていて、このあたりはさすがだなあと。

自分の中で苦手なのは、これは女性ファン向けなのかはわかりませんが、人気のある男性役者さんに演出上、急に可愛い演技をさせてギャップ萌みたいな部分を意図的に盛り込んだりするのが、やっぱり合わないなあとは思っていました。必然性が完全にストーリーではなく、そういう客層向けなので、ストーリーから心が離れてしまう。緊張感の持続がもう少しあってもいいような気はしますが、それは作品としては仕方ない部分かも。

若月さんは前半のラブラブモード全開は、やや過剰気味で、こういうのはやっぱり元アイドルがやると違和感なく可愛らしさが出るなあ、、、、と感心して観ていました。「恋のヴェネチア狂騒曲」のときはこのあたりのぶれの場を作るのが、役柄的に難しかったかもしれませんが、今回は後半が死者の復活なので、その落差をうまく活かせて役が作られていたと思います。後半の死者の復活では、「鉄コン筋クリート」のときのような二面性をうまく引き出せて使えていたと思います。殺陣はまだちょっと難しかったかな。使う刀が脇差だったこともあってか、動きが小さくなってしまうので。声の出し方とか、彼女らしく考えて作っていたので、後半のほうが若月さんらしい演技へのスタンスを感じて観ていました。

エンタメの芝居としては、よくまとめていたので、SNSで見た人の評判が思った以上に高かったのも頷けます。もちろんありきたりというか、幻想的な作りに時代劇を持ち込むと、割と似通った感じになってしまうのは仕方のないところ。あと、あれだと本来の御前試合っていうフォーマットが活きたものになっていない気はします。御前試合があってもなくても、前藩主の野望達成への動きは関係なくできてしまうから。まあ映画との連動もあるから仕方ないですね。

主役の矢崎広さん、最後の元木聖也さんとの殺陣は見事でした。あのスピードで止めるのは大変だなあと思いながら観ていました。トレーニングも大変だったと思います。早く動くことも大変ですが、筋力で動きを瞬間的に止めるほうがきついだろうなあと。殺陣ってだらっと流れる動きがかっこ悪く見えますし。お二人とも動きもダイナミックで、線を描くような刀の動きがすごい。元木さんはああいう衣装を着ているので、特に大変だと思います。上半身の動きがままならないだろうなあ、と思いながら観ていました。ついこの間見た「THE BANK ROBBERY」とは全く違うキャラで、さすが役者さんという感じ。

山本亨さんを久々に舞台で見た気がします。つかさんの舞台によく出ていて、その頃の印象が強かったので、ああいう役どころをするようになったのかと感慨深い。自分も歳を取ったのだなと(笑)

AKANE LIVさんは元宝塚というだけあって、立ち姿が凛々しいし、動きもしなやかで、若月さんいっぱいいろいろと教わりな!って思っていました。声の通り方も、声色もうまい使い分け。こういうのはキャリアですね。

波岡一喜さんは、迫力というか、人の持つ野心みたいなものを滲み出す感じが、非常にうまく出ていて敵でもあるし、そうでない部分もあるしというバランスがうまく出ていたと思います。変にきれい事にまとめていない役柄がうまくあっていたと思います。

個人的な演出での違和感は感じつつも、ストーリー自体はエンタメとしてうまくまとめたので、前半後半のストーリー変化も楽しめたいいお芝居だったと思います。