雨の中を泳ぐ日々

思いつくがままの気分の記録

舞台「恋のヴェネチア狂騒曲」の感想


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今更ですけど、簡単に。

若月さんが乃木坂46を卒業したセレモニーのあとすぐに、賀来賢人さんの事務所HPのところに、この公演の案内が出ていて、すごく喜んだことを思い出します。あれから半年以上待ってようやく見ることができた作品です。

シス・カンパニーさんはかなり気合が入っていて、福田雄一さん演出、ムロツヨシさんん、堤真一さん、吉田羊さん、賀来賢人さん、池谷のぶえさん、高橋克実さん、浅野和之さん、野間口徹さん、そして若月佑美さん。実にすごい顔ぶれ。この演劇界の大物役者の中に、若月さんがいることが非常に嬉しいと、ファン皆さん喜んだと思いますし、自分も同じくです。

チケット争奪戦は凄まじくて、アミュモバで確保された方が多かったですね。自分はその存在を気が付かずに、各プレイガイドの争奪戦、、、結局ぴあは全滅、ローチケもアウト、かろうじてイープラスで確保という結果。ただ残念なことにせっかく確保した公演の一つは仕事で行けず、、、千穐楽まで見に行くことができず、SNSなどの感想を見ていて羨ましいなあ、、という気持ちいっぱいでした。

ようやく千穐楽で見ることができたので、良かったのですが、、、、面白かったのは確か。福田さんがああやって古典戯曲を演出して、面白くするという部分は非常に新鮮でした。

まずムロツヨシさんのトゥルファルディーノですが、うまいのは徹底して感情というか、道化としての動きに徹した演技にさせていること。池谷のぶえさん演じるメイドとの恋愛はありますが、その部分も徹底的に道化というか感情のこもった演技にさせていないことが良い。そうすることで恋愛ストーリー要素はあるけど、あくまで喜劇であることを強調できていると思います。池谷のぶえさんもそのあたりうまくて、心情をおふざけにうまく昇華させて、アドリブを盛り込んで楽しませていました。千穐楽での「ここでもうカーテンコールにして!」は笑えましたね。

堤さんと吉田さんのフロリンドとベアトリーチェ、ここにトゥルファルディーノの関わりは、昔の喜劇映画のような動きで良かったですね。すれ違い・勘違い・ごまかし方などなど、喜劇の手法をうまく盛り込んでいます。良いのは相手を貶めるような逆に基本ならない。今回はそういう道化的な動きをするトゥルファルディーノ自身が笑いの対象になる。そういう部分をムロツヨシさんがうまく受け止められる。キャスティングの妙です。

出演者皆さん、やはりうまくて、それは演技の深さとかそういう芝居じゃないってわかっているから、どこに自身の役のポイントを置けばいいのか?を見せてくれること。誰一人、本当に悲しんでいたり、困っていたりするように見えない(笑)、いやそれがいいんですよ。そういう作品じゃないから。例えば賀来賢人さんのシルヴィオとか、若月さんのクラリーチェとの結婚が一旦破談になったときに、全く悲しさが伝わらない(褒めています)。そういう戯曲における特性をうまく見せるってどういうことなのか?を福田さんも役者さんもわかっているんですよね。賀来賢人さんの演技、カッコつけ含めて鼻につく感じがますます良くて、本当にコメディがきっちりできる役者さんになりましたね。どういう路線で行くのかな?と思う時期もありましたが、あの年代でああいう表情が作れたり、演じることができるポジションは大事だと思います。

さて、若月さんですが、、、よくできていたと思います。彼女が一番感情が出る芝居が多かった気がします。でもコメディというか、あの自殺のためにナイフを自分に向けるシーンとか、昔の蛇を首に巻いた乃木中を思い出しましたが(笑)芸達者さんが多い中できちんと存在感を出していたので、十分だったと思います。感情が乗らない分だけ、逆に変化が付けにくかったと思いますが、そこをうまく対応できていました。もっといろいろな作品に出て幅が広がるといいですね、数をどんどんこなしてほしい。ただ次の作品は、、、、どうなんでしょうね、、、?

個人的に最後のトゥルファルディーノのセリフから、この作品における「道化」というか観客含めて、作品の位置づけが出てくることで、俯瞰的な視点の感覚が提示されるのは悪くないと思っています。だからこそ感情もあまり見えてこないことにも違和感がないし。あくまで起こっている出来事に対する道化的な動きであるし、その動きを端で楽しむ人達(観客)という図式で楽しめることがいいなと。秋にWOWOWで放送するときには、その視点が更に引き立つでしょうから、違う感覚で楽しもうと思います。