雨の中を泳ぐ日々

思いつくがままの気分の記録

明治大学ラグビー部の復権とは。


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1月12日の秩父宮ラグビー場、22年ぶりの喜びの声が会場全体に響いたのを、自分は仕事後のテレビ観戦で聞き、感慨深い想いを抱きながら「長かったなあ、、、」と思っていました。

それくらい、本当に昔のことだったんだなと。自分は前回の大学日本一を国立競技場で見ている。現監督の田中さんが3年生でSHで出場していた時。その次の年に関東学院大に負けて大学日本一から遠ざかる時代が始まります。もっとも、関東学院大に負けた年度に出場した日本選手権でのサントリー戦は、この年度の名勝負。後半20分までサントリー相手にリードを奪い、雪が降って順延した大会開催でしたが、BK陣がサントリーDFをたびたび切り裂く素晴らしい走りを披露して、場内を沸かせたのを現場で見ていて、ものすごく覚えています。

そのあともたびたび、良くなりかけるときはありつつも、斉藤祐也さんが主将で臨んだ年末の大学選手権の関東学院戦、あと少し及ばず敗退などなど、、、しかし気が付くとこういうなんとなく「惜しい」と思わせる内容が、ほかのチームの進歩に対する危機感を弱めたという思いもあります。才能の集団であることは間違いなかった。ラグビー雑誌などで、次年度の入部対象者を見ると、高校日本代表などの肩書がついた選手がずらっと入っていた。しかし気が付くと、そういった才能が開花することがあまりないまま、試合で負けていく。その悪循環の間に、関東学院、早稲田の二強時代になり、関東学院大の不祥事のあとは帝京大学の一強時代が始まる。その間に明治大学はどうだったか、、、、、寺西元HCの金銭トラブルから始まり、そのあとは厳しい人選とチーム作りの方向性が見えない年月が続きます。切り札といわれた吉田義人さん、あの時は正直早すぎたと思います。実際、どこまでチーム内に影響を与えたのかはわかりませんが、外から見る限りはやはりコーチなどの経験含めてキャリアが少なかったという印象です。そして丹羽さん。最初はダメだなあと思っていました。特に2016年、京都産業大学に負けた時は続投はないと。しかし、そのタイミングで現監督の田中さんが入って、チームの変化が動き出したという状況です。

今年の状況は、今シーズンを見ていてもわかりますが、昨年の帝京大学に対する一点差負けがいろいろな形で結果につながり、またチームの完成途上を慶應戦、早稲田戦で感じ取ることができたものでもあります。帝京大学に関しては、チーム自体がやや停滞感があったにせよ、きちんと強みを消す試合をきちんと継続して、春の試合から勝ち続けたことが大きい。それが対抗戦でも自信につながったことがうかがえます。来年度はまた帝京がどう巻き返すのか?が楽しみです。少なくとも明治には負けたが、慶應・早稲田にはきちんと勝っているので、潜在力含めて強いチームであることはゆるぎない。天理戦での敗因が、序盤での北村選手の交代が影響しなかったとは言わない。OFに関して単調になった側面はあるが、やはりスクラムで完全に負けたことで、押し込まれるという感覚を強く持たされて、ブレイクダウンでも天理の選手の動きに対応しきれなかったことが大きい。いずれにせよ、天理の今期ベストゲームだったと思います。

決勝のレビューや、明治が優勝したことに関してのいろいろな分析は、たくさんのメディアに出ていて、丹羽前監督が寮に泊まり込んで自立した人としての意識変化を促し、悪習としての上下関係を変えたこと、田中監督が帝京大学のチーム作りを勉強したこと、サントリー時代での経験。監督への師事をもとに構築したことが、いろいろと語られています。そのこと自体は非常に素晴らしいことで、それがこの年度に選手自身の想いとあわせて結集したことは、喜ばしい限りです。

実は大事なのはこの次ということです。この優勝は多分に「前年度一点差の敗退」という必死さ、帝京というチームを目標としたチーム作りなど、ある種定まった方向性が対戦相手などに向いたものです。これが次年度以降どう変わっていくか?です。例えば早稲田は今シーズンはかなり厳しいと予想していましたが、見事に対抗戦優勝。前任の山下大吾さんの残した負の遺産の整理に時間がかかると思いましたが、見事なチーム作りだと思います。これは相良さんの手腕そのもの。根底には戦術とメンバーに関して軸がきちんとしているからだと思います。慶應も同様、次年度は留学生も含めてチーム作りが始まるんだと思います。明治はどう進めるのか?かつての圧倒的なFW力などの時代ではない現代ラグビーにおいて、どういうチーム作りの主軸を作るのか?これは特に田中監督があと数年でいなくなり(サントリーから出向のため)、その次に引き継ぐときに重要な要素にもなると思います。新しい基軸を戦術に置くのか?それとも別の指針を模索するのか?学生スポーツなので、メンバーも変わり、その時のバランスで変えていくチーム作りがまた楽しみでもあります。その時に「前へ」という言葉が単なる「押す」ではないことは今や常識の中で、どういうものを作ることができて、そこにラグビー部が向かっていくのか?を楽しみに見たいと思います。