雨の中を泳ぐ日々

思いつくがままの気分の記録

焼け野原に残るもの(日大フェニックス・宮川さんの会見を受けて)

これだけ焼かれ続けると、木の根元まで燃え尽くして、新しく森林が出来上がるまで、それこそ何年かかるのか?という感じでしか、今回の騒動の先行きを見ることしかできなくなっています。

もちろん出来事から考えると、焼かれるしかないし、その後の火の始末の仕方が輪をかけて悪くて、大惨事になったことが悲しいという思いしかないのですが。

 

今回の宮川さんの会見を受けて、

1、内田元監督、コーチ陣の狡猾さ

2、マスメディアへの燃料投下

3、今後について

辺りを考えていたので、まとまりはないかもしれないが、少しだけ。

個人的には、昔の関東学院大学ラグビー部の不祥事を思い出した。あれとはだいぶ様相は違うし、スポーツマンシップとか、競技の信頼を損なうという意味では、今回の件のほうがたちが悪いが。

 

まずは「1」について。

ここでの考えは指導陣擁護とかではなく、自分の勝手な推測込みです。

今日の宮川さんの会見での「指導者からの指示」は非常に狡猾だなあという印象でした。「潰す」という意味合いは、おそらく「プレッシャー」を掛けるという意味にもそうでない意味にもどちらでも伝わように話したことが伺えます。

宮川さんのプレーの質がこの春先においてどの程度悪かったのかは、見ていないので判断も付きません。レギュラーから外したこと、日本代表の辞退については、大学スポーツにありがちな封建的な空気も含めて、気合入れという側面やら、増長させないという指導陣の勝手な判断があったことが垣間見えます。

そういった精神的な重圧の中での「潰せ」をどう受け止めたのか?を狡猾に利用しているなあと。最初の日大サイドの発表や、内田元監督の「指示していない」はこのあたりの意図を持っていた気がします。確かに最初の指示はどう受け止めても良かった。そこで精神的に追い込んでいた状況から、宮川さんは文字通り「潰す」という言葉を「怪我をさせる意図」という判断をした。あるいはそうなることも予測して、指導者側は婉曲的に伝えていた言葉かもしれません。あとはその選手の狙いをうまく利用して、試合中での状況を見ればよかった。コーチ陣の念押しは、会見での供述書を聞いていて、非常に悲しくなりました。

こういう強豪校における封権社会のような部活動の状況は、よくわかります。だからこそ盲目的に練習に励み、勝利を勝ち得るという目標に向かって進むことができるという、確かに旧時代的な集団だと思います。しかし中にいたらそういう状況は普通になるし、今回のような指示も、精神的にプレッシャーが掛かっていた選手にとっては、判断の是非ではなく、やるかやらないか?という気持ちにしかならなかったことがよくわかります。悪いこととわかって、「潰す」という言葉を実行しようとし、そして指導者がその気持ちを利用した。

人の心理を利用したこういう動きに感じ取れて、会見での「指示があったにせよ、判断できない自分、止められない自分を反省」という言葉が、これはいろいろなスポーツに重くのしかかっていたと思います。理不尽であること、追い詰められた状況での人の判断の盲目さ、、、今の社会人の環境と何ら変わらないですね。怪我をさせるということが絡んだことは、残念でならないですが。

 

次に「2」について。

 結果として、スキャンダル以上のものにはなり得なかった。少なくともSNSなどが火を付け、それにマスメディアが乗り、そこからメディアが報じたことは「絶対的な指導者が、強圧的な指導と理不尽な指導で、選手を意図的に怪我させる指示を出した」という構図が欲しかっただけという様相しか見えていません。

結局、そういう権力者の構図みたいなものを欲しがるメディアの姿勢は、今の政治報道と同じで、そして宮川さん個人から監督やコーチに対する恨み言が欲しいという意図からの質問内容は、呆れるばかりです。

「アメフトをやる資格はない」に対しての「周りから言われたらやるべきでは?」という質問は、その言葉を発した質問者の無神経さを疑います。やりたくないわけがない、それでも自分のした行為の責めを自分できちんと向き合うために語った言葉に対して、全く救済にもならない質問だったと思います。

各所で言われていますが、有馬さんの質問がフットボールとしての視点も含めた、そしてその返答が非常に重いものだったと思います。

プレイ終了の笛が聞こえたが、タックルをしにいった、、、精神的に追い詰められた状況であれ、宮川さんがその反則を仕掛けた事実。この一点において、やはり宮川さんはプレイヤーとしての資格は失ったのかなと。正直、学生スポーツの一環として、救済処置はあってもいいのかなと思う部分と、でもこのスポーツにおける怪我の重大さを考えると、今の時点で助けてあげるべきという論調があるとするなら、そこは違うかなと。

会見に勇気を持って臨んだことは、評価されるべきことですが、おそらくはその勇気をプレイヤーとして見たかったというのが、偽らざる心境です。彼が責められるべき部分は、そのタックルの瞬間に決断できなかったこと、でもそれがすべての引き金であり、その引き金を引いたのは、監督コーチ、そして自身であるということだけです。

だからこそメディアには、もう少し冷静な報道がほしいと思います。結局、こういう話を煽るように伝えるだけ、関係のない芸能人や著名人に殺人未遂などと騒がせるだけで、誰かをスケープゴートにしたいだけの発信。会見でもワイドショーのレポーターしかいないのかよっていうくらいの、心情に対する煽りは、結局のところ事実ではなく、構図が欲しいのだと痛感しました。

 

最後に「3」について。

 個人的には、この話で出てくる「大学スポーツの在り方」云々という話につなげようとする風潮があまり好きではなく、まずはフットボールとしての、スポーツでのフェア精神とかが先にあるべきで、その視点から考えた改善点を探るべきかなと思っています。勝利至上主義云々を言うなら、すべての大学スポーツの興行としての有料入場は廃止だし、それ言うなら高校野球の甲子園止めろって話です。きれい事を並べてほしいわけではなく、勝利を目指すことによって得られるものの前に、何があるか?を自覚させる環境はどう作れば良いか?だと思います。

特にアメフトは、怪我のリスクも非常に高く、そのケアに関しては本国アメリカではかなり手厚く、またプレイヤーに対する責任も重いものになっています。

日本もケアが雑というわけではないのですが、リスク管理という点では、今回のような状況が起こると、「怪我をさせることで起こりうるリスク」に関しては、危機意識の低さが十分に伺えます。

というか、特にコーチの言葉がひどかったですね。あれを経験者が言っているかと思うと、情けない。指導者として、一番言ってはいけない、怪我すればラッキーは、少なくとも相手チームが仕掛けたプレーで、起こりうる事象として一番最低だということしかない。

日大に対する処分というか、体外的な処置に関しては、連盟が公正に下せば良いです。対外試合一年禁止なのかどうかはわかりませんが。少なくともこの会見で、責任は指導者とプレイヤー本人にあることは明白になりました。他の選手にどう負わせるか?はそれこそ教育としてのスポーツをうたうなら、配慮するべきです。仲間は止めることはできないのか?とかくだらない話をするなら、自分の胸に手を当てて考えてから言うべき。

 個人的には、このままアメフトという競技における各チーム同士の「信頼関係の構築」がいかに難しくなったか?ということです。この事例は明らかに日大だけではなく、今後のプレーにおける偶発的な事象も含めて、疑心暗鬼が働くことになります。審判きちんと権威を持って判断してくれればよいのですが。

あとは連盟です。

明らかにこの件に関する初動、及び処分を含めた動きを当該校に投げすぎました。関東と関西という壁はあるにせよ、この当事者意識の低さが招いた事態は大きすぎました。

少なくとも、一人の選手だった学生が記者会見をする事態にはならずに済んだかなと。日大側に関して言えば、丸く収めたいという意図がありすぎて、結果不手際ばかりが目立つ状況になりました。

この結果が関西学院大学側の不信を招き、結果被害者の父まで会見し被害届を出すという事態にまで進んでしまう、、、誰一人救われず、競技の信頼を損ね、このあとのこのアメリカンフットボールという競技の未来も閉ざすことにしかならなかったことが、残念でなりません。

しかし、関学との定期戦をそこまで軽んじた発言をされたことや、昨年の優勝校が甲子園ボウルを見据えて潰すという判断を使うこと、、、情けないですね。甲子園ボウルだって、決して安全な話でもない。むしろようやく復活して優勝できたというレベルなのに。

ほんとにこれから、日大は他大学との関係性において、真摯な姿勢を持ってしても、信頼を取り戻すのは並大抵ではない状況です。

どういう処分が下るにせよ、この競技を楽しみにしている選手、ファンがもう一度、いい試合だったといえる空気をどう取り戻すか?、その動きに注目したいし、ことさら煽るような人たちには、あなた達の燃料ではないということだけは言っておきたい。

どれだけ重大かは、すでにわかっている、次を見据えなければいけないということです。

まとまりなくですが、こんな感想です。

(追記)

その後の内田元監督、コーチの会見で思うことはいくつかありますが、、、

非常に奇妙なのは「フィールドで起こった事の全ては監督の責任である」という言葉が、なぜ軽く扱われるのか?ということ。本質が「指示して、殺人未遂のようなことをヤラせた」という証拠を欲しいという一点に集中しているからですかね。

関係者すべてが煽られていますね、何かを語らなくては、真実を白日のもとに!っていう正義感とかと同時に、違うものまでくっつけて、オラオラやっている人が多すぎて、この会見に関しての様々な意見は、正直論ずるに値しないものばかりという感想です。

プレーが一番駄目は変わりませんが。