雨の中を泳ぐ日々

思いつくがままの気分の記録

雑記 3月2日 「探偵・沢崎シリーズ」講演会など

花粉症がかなりひどくなってきた。

こうしている今も薬が切れたら、鼻水が溢れ出るのが防げないと思う。今の薬がカプセル状のもので、効き目はいいのだが、必ず眠気が来るのが問題点。アルジオンみたいな薬がいいのかな?と思いつつ、とりあえず点鼻薬などで過ごす毎日。マスクも外せなくなってきました。

今日はお休みだったので、家の中のことを少し片付けてから、夜はちょっとお出かけ。

信濃町明治記念館に行ってきました。結婚式とかそういう場所のイメージが強かったのですが、今回は講演会へ足を運んでいます。

先日、3月1日に14年ぶりに新作「それまでの明日」を発表した原尞さんの講演会でした。

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「探偵・沢崎シリーズ」はすべて読破していますが、まあ書かない作家さんなので、早川書房も付き合うのが大変でしょうね。今回も久々の刊行でいろいろとプロモーションしてるんだと思います。

講演会は早川書房のHPに出ていたのを偶然見つけて、お応募したら当選したという感じ。仕事の休みも合わせることができたのでラッキーでした。

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新作の「それまでの明日」は発売と同時にKindleで購入。書籍は落ち着いたら購入します。ここまでのシリーズも、すべて持っていますが、先日Kindleで再購入しました。Kindleの便利さは紙の書籍を所有するのとは別の意味で、良いものだと思っています。

 

それまでの明日

それまでの明日

 

 

今回はその新刊リリースのプロモーションの一環ですが、面白い話もいくつかあって楽しい時間でした。途中、花粉症の薬がきつかったけど(笑)昨日は原尞さんの作品を読んだことがない若い読者に読んでもらうっていう企画があったようで、そっちの感じも気になりましたけど。今回は圧倒的に年配(自分も年配に入りますが)の男性が中心、女性もチラホラと見かけました。皆さん、沢崎シリーズ、待っていましたねえ。

最初に司会の方が挨拶、原さんの担当編集の方ですが、この14年の間に出世をされているようです(笑)。

その後に早川書房の会長から挨拶と原尞さんの紹介。「伝説」とか「レジェンド」とかいう言葉を使っていましたが、これ探偵・沢崎が聞いたら怒るだろうなあとか思いながら聞いていました。

御本人は赤いシャツにジャケットを着て登場。非常ににこやかな雰囲気で入ってこれれました。

最初は司会の方とのやり取りが一時間半くらい。司会の方は出世はされましたが、原さんの担当だけは変わらなかったようで、この年月の間の原さんとのやり取りがメモで残っている部分を披露されたりして、笑いになっていました。実際、この空白の間の創作については、基本書き出して、作中の人物が動くイメージが出ないと書けないタイプの作家さんと言うことがよくわかります。プロットありきならもう少し早く書けるというか、人物を動かしやすそうですが、原さんの場合はもう少し自分の中からの湧き上がった部分で進めていく様子。村上春樹さんの執筆イメージの話題が途中で出てきて、原さんは「真似出来ない」としきりにおっしゃっていました。

文章表現やら、こだわりの部分もありますし、前作の「さらば長き眠り」からミステリ要素よりもハードボイルドな作風によりシフトしているということで、特に今回は起こっている事件の状況よりも、人物の関係性に焦点があたってと、自分でも読んで思いました。ハードボイルド路線への傾倒については亡くなった菅野編集長からの助言も大きいとおっしゃっていました。今回の新作「それまでの明日」の巻末に謝辞がありました。

途中から原さんが敬愛するレイモンド・チャンドラーに関する話も、テリー・レノックスとマーロウの関係性の話だったり、いろいろとそういう作風への傾倒を強く感じさせる話が多く出てきました。年齢的にもチャンドラー70歳で亡くなっていますが、自分はそれを越えたということを笑いながら、話していましたが、作品数はまだ負けているので、頑張って書いていただきたいものです。でもチャンドラーより長く生きることで、また違う世界が書けるというような話もされていましたから、作品のイメージは年齢問わずいつも持たれているんだろうなと。

沢崎に関しては、自分がモチーフではなく、あくまで空想というか設定という話で、探偵だけど普通の人物を強調していました。初期の推理が鋭いっていうキャラのイメージに、若干の違和感があったようで、それがハードボイルド路線への傾倒にも繋がったような話でした。

自分はこの新作を結末少し前まで読んで、ちょうどこの講演会だったので、作品を読んだイメージと原さんの語りが、そういうことかとつながるところもあり、非常に楽しかったです。

しかし原さん、よく喋りますね(笑)。思った以上に雄弁な方でした。悪いという意味ではなく、話す言葉に誠実というか、まっとうでいたいんだと思います。変に先入観とか思い込みという状況でなく、聞き手に伝えたいんだろうなという印象です。

細かい内容はきっと「ミステリ・マガジン」あたりに掲載されるでしょうから、それを読んで思い出しますw

後半の質問コーナー、印象的だったのは、一つは映像化の話。以前もコラムか何かでありましたが、お断りしていると。今後も自分が生きている間は映像化はないという返答でした。それで良いと思います。一人称を映像化すると、イメージが崩れるケースが多いですし。

ちなみに自分も質問させて頂き、「沢崎でイメージする俳優さんはいますか?」と伺いました。初期の沢崎と、今の沢崎ではかなり違うと思いますが。お答えは、まず沢崎には下の名前があるけど、作中には必要がないから出てこないっていう話の振りがあって、特定のイメージの俳優はいないという返答でした。それでいいのかなと思います。もしかしたら高倉健さんとか数名イメージが湧くとかあるかなと思いましたが、そこは読者に委ねるっていう原さんなりの思いやり込かもしれませんけど。

話の終わりの方で、デビュー作の「そして夜は蘇る」がハヤカワ・ポケミスで刊行されると聞いて、嬉しくなりました。原さんが原稿を早川書房に持ち込んだときにポケミスと同じ段組で送ったという話は有名ですし、記念発刊とはいえ、これは嬉しい話でした。

本書の最後が象徴的な出来事で作品が終わります。原さん自身も何を描きたいかイメージはあるような話はしていました。まあ、数年掛かるのかもしれませんが、とりあえず今日の話を思い出しつつ、旧作からあらためて読み返していこうと思います。

 

 

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))

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私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)

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愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)

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さらば長き眠り (ハヤカワ文庫JA)

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天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)

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