雨の中を泳ぐ日々

思いつくがままの気分の記録

「続・時をかける少女」2018.2.11(土)ソワレ



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ヨーロッパ企画上田誠さんが脚本・演出というニッポン放送オールナイトニッポン50周年記念の作品です。出演者もヨーロッパ企画の方々が多数ということで実質、劇団の新作のような感じ。乃木坂46新内眞衣さんが出演することもあって、チケットを確保しました。ヨーロッパ企画のファンとしては非常に楽しみにしていました。

場所は東京グローブ座ジャニーズ事務所が定期的に公演をしているかと思います。

自分も、久々に行きました。昔、よく鴻上さんが公演していました。サードステージのプロデュース公演とか。「トランス」とかはここで何回か見ましたが、見やすい劇場の一つだと思います。

もともとシェイクスピア作品を中心にやる劇場と覚えている人がどれくらいいるかは定かではありませんが(笑)

主演は芳山和子役に上白石萌歌さん、ケン・ソゴル役に戸塚純貴さん、朝倉吾郎役に健太郎さん、玲子役に新内眞衣さん、未来からタイムトラベラーにヨーロッパ企画の石田剛太さん、諏訪雅さん、土佐和成さん、永野宗典さん、阿佐ヶ谷スパイダースの中山祐一郎さん、先生役にバッファロー吾郎Aさん、MEGUMIさんなどのキャストです。

ストーリーとしては、筒井康隆さんの元である「時をかける少女」の続きということで、未来に帰ったはずのケン・ソゴルがもう一度芳山和子のところに戻ってきて、行方不明になったほかのタイムトラベラーを探す手伝いをしてもらうというストーリー。大林版とも全く違うし、あくまで上田さん流のコミカルな話に仕上げています。なので、郷愁感みたいな作品を考えると、まったく違うのでそのあたりは注意が必要かもしれません。今回は芝居のあとにアフタートークがあって、ゲストがいとうせいこうさんでした。その中で上田さんといとうさんのやり取りの中で「時代のクロニクル風のモノを描きたかった」と話していたので、その時代の風俗というか空気感を出したかったのだと思います。それが何?ということではなく、そういうものを通じて、時代を越えたというリアリティだったり、コミカルさを見せたかったのだろうと思っていますが。

上田さんらしく、伏線というか特に新内さんのタイムトラベルあたりの回収はしっかりと行っていましたが、結局あれがあっての過去からの進行だから、歴史の改変にはなっているようでなっていないという解釈でしょうか。突っ込むといろいろとあるのかもしれませんが、作品世界自体ではうまくまとめたと思います。未来人の記憶を残してはいけないので、記憶を消す装置を使って(メン・イン・ブラックの装置と同じにしてました)先生たちの記憶を消すのですが、そのあと目が覚めた時に「入れ替わってる?、いや違う」みたいな大林監督の「転校生」ネタを盛り込んだり、相変わらずの遊び心というか、上田さんらしい作りが随所に見えていたと思います。

主演の二人は非常に活動的というか、舞台映えする動きでよかったです。特に上白石さんは、声も非常に伸びるというか、赤毛のアンなどの経験がしっかりと積まれている方なので、素直に良いなと思いました。舞台での動きの見せ方という部分が、きちんとしているなと。手足の動きだったり緩急だったりが、わかりやすいというのは大事なことだと改めて思いました。戸塚さんは先日の「スマートモテリーマン講座」の印象が強いのですが、コミカルな動きがきちんとできるというのは大事だし、もっと舞台で頑張ってほしいなと思います。かっこいいけど、どこか抜けた感じ、本来のケン・ソゴルってミステリアスでかっこいい部分が強いのですが、まあ上田さん流なのでそこは許容でしょうか。新内さんはアフタートークでも話が出ていましたが、衣装チェンジが大変そうでw これはほかの出演者も同様で、過去の登場人物と未来人の両方を演じる方は大変だったと思います。このあたりのはけて出ての中での組み立ては、台本も役者も大変そうだと、見ていて思いました。吾郎役が段ボールかぶっている場面なども、うまく工夫していました。

クロニクル的なものを見せて、観客に共感性を持たせる狙いは、それなりにうまくいっていると思います。世代的に「へえー」みたいな部分がある人も、特に若い世代の客層には新鮮さもあるかもしれませんし。ただ、それ以上広がりにくい部分もありますが、でも上田さんも「だから、こうだよ」みたいな部分は意図して盛り込んでいる感じはしないので、あくまで材料の一つなんだと思います。そこで和子の内面の変化みたいなものがあるとすれば、結局ケン・ソゴルとの思い出というところに集約されるので。記憶というもののはかなさというか、ある種の変質していくものっていう意趣はあるのかもしれませんが。自分の記憶というものが、どれほど正確に残っているか?なんて誰もが怪しいわけですし。変な裏読み抜きにしても、コミカルさとかストーリー展開の速さで十分に楽しめるし、上田さんのコミカルな演出に笑って過ごす二時間という意味でよいのかなと思います。

新内さんは、こういう形で外部の方の演出、しかも岸田國士戯曲賞作家の作品ですからね、良い経験ができたと思います。個人的には実質ヨーロッパ企画の新作みたいな作品を楽しめたことで十分満足です。

ヨーロッパ企画は次はあの「サマータイムマシーン・ブルース」の再演&続編なので、もう楽しみで仕方ないです。必ず両方とも確保しなくては、です。