雨の中を泳ぐ日々

思いつくがままの気分の記録

「生頼範義展」上野の森美術館

今日はお休みだったので、上野の森美術館で開催中の「生頼範義展」を見に行く。


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開催が決まった時から、必ず行きたいと思っていたので、仕事が厳しい時期だが、ちょうどエアポケットのようにここでお休みが入ったので、夜の舞台「三人姉妹」を見に行く前に行っておこうと。

雪がだいぶ残る上野の森公園でしたが、人はかなり歩いていたと思います。国立西洋美術館のほうが盛況でした。「北斎ジャポニズム」展が人気ですね。

生頼さんは、とにかく「幻魔大戦」の時にそのイラストにはまったので、とにかく今回の展覧会はうれしいの一言。展示内容は、製作作品を作者やカテゴリ別に分けて展示。一部の作品は写真撮影OKなので、目いっぱい撮影してきました。ネットで探せば、もちろん出てくるんでしょうけど、なんというか実際にみたというものを残しておきたいという気持ちもあって。


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一般的には「スターウォーズ・帝国の逆襲」のポスターとかが有名でしょうか。他にも軍艦などを描くことも多くて、そのリアルさがとにかくすごい。砲身部分の根元に白いカバーをつけているところの、リアルな描写とかどうやって書いているのだろう?と思えるくらい。

あとは、点描写による人物画も有名かと。「三国志」や「武田信玄」などの作品がドラマ化されたときに打つ広告の人物画なども描かれていますね。実際の役者さんに非常に合わせて書いているので、そのイラストが動き出しそう。


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個人的にはまさにその動き出しそうな感じが好きです。もちろん媒体や利用方法によって、そういう描写を考えていますが、生頼さんの作品は技術以上にそういったリアル感がよい。女性の表情一つとっても、感情が複雑に見えます。笑顔にっこりという感じではなく、いろいろなものが入り混じったものがどことなくにじみ出ていて。


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今日の展示で、失敗したなあ、、と思ったのは、以前購入した「超時空要塞マクロス」の月間OUTの別冊本のこと。蔵書の整理の際に売ってしまったのですが、その本についていたポスターが生頼さんの描いたマクロス。それが今回展示されていて、改めてその緻密さやかっこよさに、ああー後悔と。展示の中に対談の一部がキャプションされていて、「宇宙は深緑で描く、そうすると奥行きが広がる」という趣旨の言葉があって、その言葉を意識しながらずっと作品を見ていました。あとは「スターウォーズ」のポスターの時に、遠近を逆にして、敵役を後ろ中央に大きく描く、主人公たちを前に中央に寄せて描く手法についてなどもキャプションがあって、そういういろいろな部分を意識しながらみると、単に技術の緻密さ、高度さとか、そういった部分以外に、単純に鑑賞としてのうまさが際立っていきます。


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自分の中では、小説や映像の作品世界とセットという部分が強くなってしまっているので、それがイラストでどう表現されているか?という話に寄ってしまいがちですが、今回の展覧会で、いろいろな作品の味わい方が実感できてよかったです。個人的には、映画「浪人街」のポスターがかっこよかった。白地に点描写で原田芳雄さんと、石橋蓮司さんが描かれていますが、まあその二人の目元のすごさ。撮影不可だったのが残念です。映画自体も何度かリメイクされていますね。1990年の黒木監督の作品は見るべき価値はあると思います。

個人的に本は装丁とか非常にこだわりがあるほうで、いくらいい作品でも装丁が悪いと正直がっかりする部分はある。生頼範義さんの作品はそういった部分がほとんどなく、平井和正先生や小松左京先生がなぜ依頼していたのかが、よくわかる。小松左京さんの「継ぐのは誰だ」の表紙とか、それこそ世界観がしっかりとでている。そこは生頼さんが自分の作品がどういう使われ方や、どこを強調すればいいのか?という部分をきちんとわかるプロであるという意味だなと。


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以前、クラフトエヴィング商會の装丁作品を世田谷文学館に見に行った時も思いましたが、こういうプロの仕事を見るのはいつでも楽しいです。