読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Electric Sheep

徒然なる日々の記録

これって結構悩ましい

今週のお題「プレゼントしたい本」

いろいろ、このお題、本を思い浮かべたけど、結構難しかった。

「どこに関心を持って欲しいと思って、薦めるか?」

って、誰にプレゼントするか?も含めて、いっぱい考えるなあと。

自分は、、、、正直、誰というのがピンとこなくて、単純にこれは読んでいて、じわっとくる作品を選んだつもり。

沢木耕太郎さんの「壇」は、「火宅の人」作者で有名な檀一雄さんが、実際にはどういう人物だったのか?を奥様へのインタビューを一人称の告白のように描いた作品。

「火宅の人」は映画も見たし、原作も知っていたので、この沢木さんの本が出た時は非常に興味深く読みました。

正直、内容としては、檀一雄という人物の奔放さとか優しさとか、いろいろなものをひっくるめて、人物像としても、引き込まれる作品でした。

でも自分がこの作品をプレゼントって思ったのは、ラスト近くの描写が、自分の中では、秀逸の一つだと思っているからです。

それは、檀一雄氏が、奥様と列車に乗るために一緒に歩くシーンの描写です。興味を持った方がもしいたら、是非とも読んでほしいので、細かくは書きません。でもあのシーンは、このストーリーをずっと読んできた自分の中に、ものすごく気持ちとか不器用さとか、いろいろなものが一気に押し寄せた気分になったのを思い出すし、たまに読み返すとそれでもやっぱり胸にグッとくる場面です。

あのシーンの描写だけで、もう自分には文句が無い作品です。そういう本を読むことができて良かったです。

そういう何かを得られた本って、そうそうあるわけでは無いので、貴重だなと。得るものは知識とか教訓とか、何か実用的なものもあれば、感情を揺さぶられる何か?かもしれません。なんにせよ、この「壇」という作品から、得たものをこれからも感じ取れる人でいたいと、世俗にまみれて澱んでいる自分に教えてあげたいです(笑)

 

 

檀 (新潮文庫)

檀 (新潮文庫)