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Electric Sheep

徒然なる日々の記録

読書を少しずつ。

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ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ)

ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ)

SNSをやってしまうと、読む時間を減らしてしまうことは、以前からも同じで、やっぱり読まなきゃいけないんだよね、活字。自分の勉強もそうだけど、語彙力とか表現力とか諸々考えても。
SNSでもいい言葉というか、頭いいなあっていう呟きもあるけど。でもそれを感心するだけじゃ、あんまり意味がないよねと。
ということで、以前ほどハイペースでは読めませんが、少しずつ読んでいこうと。
この連休明けからは、読書とランニングに少し気合を入れていこうと思います。
で、読んだのが「このミス」で上位に評価されていた「ミステリー・アリーナ」です。他の書評でもかなり高い評価。未読の人がいたらすみません、少しネタバレっぽい文章が混ざります。
うまいと思ったのは、とにかくミステリーの犯人を推理する事件と解決がほぼ並列で進んでいく点。ミステリーマニアが探す「文章中のヒント」を徹底的に、場合によってはとんでも解釈や揶揄も含めて、解決の情報としていきます。
ミステリークイズの回答者としてマニアが答えていくので、新しい解釈と答えがどんどん出てきます。全部で15通り。一応、解釈としては筋が通った結末にはしています。名前や登場人物に関する表記のミスディレクションは、ありがちといえばありがちですが、よくここまで考えたものです。
こういう叙述トリックというか、うまいなあって思ったのは、個人的には筒井康隆の「ロートレック殺人事件」があまりにも印象が強いので、どうしてもそこと比較をしてしまいます。学生時代に読んで、あの衝撃はかなりのものだった。多分「アクロイド殺し」よりも。
マニアが指摘しそうなヒントを徹底的に使って、あらゆるヒントを解決につなげる手法が回答者から14通り明示されます。中には微妙なのもありますが、まあきちんとロジックは成り立っているので、更にそこに解決編があるという構成、作者の力量に感心します。
あえて言えば、事件の進行と解決編をずっと繰り返していくので、解決編の情報確認で読むけれど、飽きてしまうというか少し中だるみ感が出なかったわけでもないです。
しかしあれだけの情報からあらゆるミステリーの解決を引き出す構成力は流石だなと。
普通のミステリーとは違って、作中の構造も含めて、よく練られた感心する作品でした。