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Electric Sheep

徒然なる日々の記録

「大人のカフェ」2016.04.23 ソワレ

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乃木坂46井上小百合さんが客演するということで、大人のカフェ、第9回公演「飲みかけで帰ったあの娘」を見てきました。

最近、井上さんは、「帝一の國」のダブルキャストなど、舞台に関しては高評価が続いている様子で、今回はユニットの芝居ということでハコも手頃感。これはぜひ見たいということで渋谷のCBGKシブゲキ!!に行ってきました。
チケットは事前に予約振り込み、座席も並び順ということで、最近のシステムでは珍しいかなと思いますが、基本ぴあなどのシステムを使った販売にしていないので、その辺りは仕方ない部分もあるし、昔ながらの芝居のチケット売りみたいで、それはそれで良いのかなと。そういうシステムを介していないから、3000円という金額も提供できるのかもしれませんし。公演回数も多くは無かったので、うまくまわせているのでしょう。
シブゲキは座席は柔らかいけど、基本前との間隔が狭い(サンシャイン劇場に近い)のと、座った時の腰の位置と膝の高さが合わないので、正直座り続けるのは結構キツイ。今回は1時間半強だったので、まあ許容できますが、あれ以上だと結構キツイかな?という印象。その分少し椅子に深く寄りかかっても、前の人の頭が邪魔になりにくいという配置にはなっていました。
芝居についてですが、、、構成はオムニバスコントです。全部で8つあるコントの芝居の合間に、映像が入るパターン。最近というか暗転とかチェンジとか含めて、映像の多用って結構増えたな。良い悪いは使い方次第。今回はセットチェンジをしていない作品なので、カフェのシーンは映像処理でいこうっていう構成にしたのでしょう。結構尺が長い映像だったので、演者的にも落ち着いて幕間で準備できたはずw この日はできなかったのですが(笑)
最初の話から順に簡単なあらすじを。
 
オープニングコント「無料」
夜、閉店後の蕎麦屋。客が頼んで入れてもらい、鴨南そばを食べる。いざ支払いになったら、以前配られた無料券を使おうとすると、店主とその娘、店員が丁々発止を繰り広げる。結局、無料券をバラ撒きすぎて、店が潰れそうだから、どうしよう?というやり取りを客の前でして、最終的にはお金を払おうとした客から、回収できる分多めに徴収として、結局一万円のお金を恵んで貰うが更に貰おうとする、、、
最初のコントだったので、ここでどう掴むか?なんですが、勢いをつける感じでも、いい滑り出しだと思います。店が潰れるくらいの無料券という振りの回収が後でありますが、無料券を使う使わないのやり取りがテンポ良く進んで、掴みは十分だったかなと。配役的に店主と店員は逆でも良かったかなと思いますが、まあ何か意図はあったのかもしれません。
 
1杯目「塚本語」
会社の同僚の家の鍋パーティーに誘われた社員と後輩の女子社員。いざ、家に行くと先輩社員は出ていて、いるのはその夫。挨拶をして鍋を始めると、どうにもおかしな言葉が次々と出てくる夫。おかしい人だと思いながら家にいると、帰ってきた妻も一緒におかしな言葉に合わせながら会話をする。そのおかしさに連れて、後輩社員も一緒に「豆腐裁判長」などと語り始める。最後に同僚社員も乗っかろうとするが、センスが合わずダメ出しを喰らう。
若干、不可思議なキャラを使うことで、突拍子もない言葉でインパクトを与える笑いを選んできました。その言葉のフレーズやセレクトに楽しめれば、面白いコントだと思います。自分はここが今一つで、言葉遊びはもう少し韻を踏んだり、何かに掛けるみたいな部分の方が好きっていうのがあるかもしれません。他のお客さんは結構笑っていたので、そこは感覚が自分がズレ過ぎなんだと思いました。夫のキャラが飯野さんのキャラとうまく噛み合って、ここはピースがハマった感がありました。加賀さんのズレ具合はこの後のコントでも続きますが、こういう空回りな感じも合っていましたね。
 
映像のミニドラマは後でまとめて。
 
2杯目「嘘じゃない。」
一見すると、パルコ劇場の「ラヴ・レターズ」のパロディの様な設定。井上さんから、よくコントで使われる「あるある、ないない」ネタを朗読調で4人で語ります。
ストーリー的には、ここはフレーズだけは絡みますが、あとは単純にネタが楽しめれるかどうか。ネタとしてはありきたりな部分はあったので、クスって感じで笑える楽しみができれば良いのかなと。あそこで伊達さんが寝ていて、起きないみたいなネタがあったらもっと笑えたかも。
 
3杯目「見合わないやり取り」
ちょっとおかしな感覚の持ち主のコンビニ店員。先輩から叱られた際に、叱られた量と見合うかどうかについて語られる。その後来たタバコを買いに来た客の言葉に引っかかって、言葉と行動に見合った話がエスカレートしていき、タバコを買いに来た客はついに、これでいいのか!って言いながら店の棚を壊したりすると、最後は警察がやってくる。
こうなったら止まらないけど、気がついたら「あれ?」っていうパターンは、よく見る流れだったので、ストーリー展開自体は、ちょっとデジャブ感がありました。後で別のエピソードで回収した脚本の上手さは、良いと思います。難しいのは、伊達さんがどういうカタチで見合うか見合わないかを持っていくので、無理が出過ぎない様に、リズム良く流していくのがポイントですが、そこはうまく進行させていたなと思います。
 
4杯目「んんんんん」
駅前で、奇妙なコスプレをして、動き回る三人組。その活動をすることで、社会生活で受けた痛みを和らげている様子。そこに来たサラリーマンが一人ひとりにダメ出しと論述を駆使して(通称、マンスリーデトックス)、コスプレをぬがせて、解散させる。
ここは前半のコスプレをした井上さん、飯田さん、加賀さんの奇妙な言動、行動と、後半の伊達さんのダメ出しを楽しむ作品。説得する中身は正直大したことでもないので、ここも伊達さんの語り口調が、上手さを見せていたと思います。
 
5杯目「面接」
通園地のお化け屋敷の面接に来た男女二人。男性の方は、気合を入れてお化けのコスプレ、キャラ設定をしてくる。面接官とのやり取りも、キャラを織り交ぜて会話を続けるので、だんだん女性の方もおかしな返答をしてしまう。最後は実は面接官自身がお化けだったというオチ。
キャラの面白さはあるけど、ストーリーと設定には面白みは少なかった芝居。ちょっとありきたり感。唐突にオチを見せるのでインパクトはあるかもしれないが、展開は読めてしまったので、そうですか、、という感じ。ここも伊達さんのキャラの立たせ方が、芝居を成立させていた気がします。
 
6杯目「待つ4人」
会社の新プロジェクトメンバーの4人が、お店に入るのを待っている状況。そこで、この4人のうち男女は1杯目の鍋パーティーに参加した二人ということがわかり、男性社員の方は後輩の女子社員が好きということがわかる。一方、タバコを買いに行った飯野さんは、3杯目のコンビニの一件に巻き込まれ、伊達さんはこの後4杯目のマンスリーデトックスを行う人ということがわかる。
ここでオムニバスコントのうまさで、時系列を意図して前後させてストーリーを展開し、「メメント」のような効果を狙った感。
印象には強く残るので、いい筋立てにしたとは思います。
ここは空回りする加賀さんの面白さを見れば良いかなと。実際には次につなげるフックみたいな使い方のストーリーになってしまったので、若干尻切れトンボっぽい感じになってしまうのが、残念ではあります。
 
7杯目「トランスフォーム!」
ヒーロー・イイノマンとヒロインさゆりのピンチに助けに来るトランスフォーマーBC-7。そのBC-7の変形が見たいと言い出したさゆりに対して、必死に言い訳をして変身を拒むBC-7。だんだん助けられた二人がBC-7を揶揄する流れになり、最終的には変身をするも、それはベビーカーだったというオチ。
ここはBC-7になる加賀さんが、トイレに行って衣装をきちんと着ることができなかった流れで、井上さんが加賀さんの短足さに大笑いをする、台本外の笑いを盛り込んでしまったコント。アドリブはやはり面白い。そこをどう捌くかが舞台というかコントの醍醐味の一つ。もう少しあの場面を引っ張った流れでも良かった気がするけど、笑い転げから戻していったのでちょっともったいない気はした。でも、井上さんヒーロー好きも含めて、ファンはこういう設定は喜んだと思うし、このあとのオチにもつながる話になっていたと思います。
 
大人のミニドラマ
随所にインサートされた映像は、このコントの伏線も兼ねていて、コント中の井上さんがそのまま、ドラマ内の女子社員になっています。行ってみたコーヒー店のコーヒーをタダ券で飲む関わりから、コーヒー店が危ないこと、大型モールの進出の際に、お店のタダ券を配ることで売上を下げる戦略に乗ってしまったことなどを見せていきます。そこでオープニングの蕎麦屋につながり、ラストのプロジェクトのプレゼンの話につないでいきます。
ここは映像じゃなくて、芝居で見たかったかな、、、、セットの問題や前述した様に衣装も含めたチェンジもあるので、仕方ないのですが、、ああいう会話のやり取りであれば、演技で見たかったかな。リズムも出るし。映像が結構長かったので、少し間延びする印象が出てしまいました。
 
8杯目「東京・思っていたのと違う日」
最後は新プロジェクトのプレゼンの様子。ここまでのコントのエピソードをここに盛り込みながら進んでいきます。提案したおもちゃはベビーカーのトランスフォーマー、コーヒー店の窮地を救うために、新キャラを考えた話から、ここで新キャラ「お豆腐裁判長」を提案する井上。それを審査する責任者が、実は塚本。最後は塚本語で盛り上がるが、空気の読めない加賀の乱入でどっちらけ、、、みたいな終わり。
コント同士の伏線と回収はうまいと思います。オムニバスでもこういうつなげ方は、映像とは違った演出でした。役に立たない加賀さんの行動も、伊達さんのツッコミと合わせて評価しておきたい。
 
全体的にみると、特に伊達さんの旨さは目立っていると思います。キャラの使い分けもできていますね。今回のコントは演技力というか、コント内の人物にハマって、どれだけテンポ良くすすめるか?だと。そういう意味では、井上さんは良かったと思います。彼女は声に特徴があるけど、うまく役を決めた感じですね。
個々のコントは、若干完成度というか、つなぎとして話もいくつかあったので、これは難しいことろ。単体の作品で見た場合に、コントの方向性が、わりとどこかで見たパターン化した脚本だったので。全体的には時系列をずらして見せていくストーリーはうまく行ったんじゃないかと思いました。
 
井上さんは、今回は女子社員という、全体に通じるキャラがあったうえでの役柄でした。コント内ではキャラを強く出しすぎず、井上さんを盛り込みながらうまく演じていたと思います。前回「犬天」を見た時には、その井上さん自身が出てしまうことを危惧しましたが、今回はそこが気にならない脚本だったので。大事なことは会話や動きのリズムをいかに崩さずに、展開させるか? ここは男性三人の上手さもあり、良い流れを作ることができていたと思います。台本の構成で、自分の役回りをうまく進めたのは、井上さんの経験だと思います。やはり舞台はいろいろな経験を積んでいる方がうまくなっていきますね。
 
男性三人はもう慣れた空気感が、コントの成立にしっかりとはまっていたと思います。基本、美味しいのは伊達さんなんですがw
 
また、井上さん関係なく、このユニットの作品は観てみたいなあと思いました。個々のコントの完成度は微妙な作品もあったという感想ですが、オムニバス作品全体を時系列を崩すことで印象を強めて、最後のプレゼンに落とし込んだ構成はうまかったと思います。これは次にまた楽しめそうですね。