Electric Sheep

徒然なる日々の記録

「BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」の感想

ドラマ界隈で人気だったこの作品、ようやく追いついて無事に最終回まで見終わりました。

どういう結末にするのかな?と思ったら、頭の弾丸の件はラストではなく、石川が「コインの裏表」になったところで終了でした。まあ後半の「敗北」「決断」辺りからはもう、普通の捜査では無くなっていたし、死者の想いを利用するではなく、死者が見えていること自体がすでに石川の行動原理になっていたので、暴走度合いを大きくして、ラストシーンに持っていきましたね。あの手を離した瞬間が石川にとっての「勝ち」と「負け」の表裏一体でした。

金城さんなので、こういう終わり方って「SP」とも通じるところがあって、完全なる「勝ち」ではなく、「混沌の中のぼんやりとした勝ち」でしかなくて、石川はその混沌や矛盾や不条理みたいなものが、死者の想いを聞くうちに飲み込めなくなっていました。比嘉の語っていた「引きずられるな」という忠告は結局役に立たず、、、、でもこの結末は間違いなく「敗北」かなと思います。

石川が最後に安藤に手をかけられたのは、石川は死んでいるんだろうと思います。もしくはそういう幻覚を見ているかですが、ここまで死者との会話を石川個人の能力として描いているから、あそこだけ幻覚落ちだったらいただけないかな。越境は表裏と同時に生死を越えたという解釈かな。

まあ、いろいろ想像させてくれるだけでも、非常に面白いドラマでした。個人的には「追憶」「敗北」の二つはいろいろな意味で好きな回です。「追憶」はクドカンの好演もそうですが、死者の想いをどう受け止めるか、どう行動するか?という意味でも家族愛という意味でも、泣けるエピソード。死因の抜けっぷりを越えて、あの荼毘に伏す瞬間の「もう少し、、」は本当にきました。「敗北」は絶対的な悪の入り口を知った瞬間。あの負けがあるからこそのラストだと思いますが、あのあたりでもう死者の想いがどうというより、石川自らがその想いを補てんしてしまっている。「正義のヒーロー」が負けた瞬間はこういう形で描かれたことが面白かったです。エドワート・ノートンの「真実の行方」のような感じのエンディングは結構好きなので。

続編はいらないというか、自分は石川が死んでいるという想定なので、無理かなと思っているのですが、、、可能性があるとしたら石川が偶然手を離してしまった、そして頭が原因で一度死んだが蘇生くらいしかできないけど、そこまでして引っ張りたいのかどうか、、、エンディングまで考えて作っているから、これで終わっていいのかなと思います。

 

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