読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Electric Sheep

徒然なる日々の記録

「泣くな、はらちゃん」最終回まで

TV

個人的には「最高の離婚」と双璧をなすくらい、素晴らしい出来栄えの作品だと勝手に思っています。「最高の離婚」が役者の技量も含めて、嘘っぽいエピソードをリアリティさと本音をうまく織り交ぜながら、良質の恋愛ドラマに仕立てたのに対して、こちらは岡田恵和さんがファンタジーをファンタジーとして描き切った恋愛ドラマでした。正直、最終回は涙無くしては見られないくらいです。このクールはこの二作品で充分におなかいっぱいという感じです。
八話目で、はらちゃんたちが「この世界の一部」を知ってしまったことと、九話目での暴力騒動で、帰りたいという話になるのは予想通りの流れではありました。越前さんが漫画世界に入ってしまうのは、エンディングの映像でもしかしたらとは思っていましたが、でも一度はそういう選択をして、現実に戻るというのは筋立てとしては自然な内容だったと思います。ちょっと弱いかなと思ったのは、結局はらちゃんたちがいたこの世界もファンタジーではあるんですよね、普通に受け入れてくれたわけだし。そう考えると、暴力騒動で帰りたい云々は若干アッサリだったかなとは思いました。
でも、正直そのあたりの部分は、あまりこのドラマの出来栄えには大きな影響はないと思います。カルチャーショックを扱う作品って比較的そのギャップをコメディとして、演出することが多いと思いますが、今回はそのギャップが「恋愛」だったことがまず良かったし、その恋愛を長瀬智也麻生久美子の二人がうまく演じていたと思います。はらちゃんの純粋さと越前さんの不器用さが本当にうまく出ていたので、この二人の距離が縮まっていく過程もうまかったし、最後に新婚さんの共同作業でノートを開くシーンは、胸熱でした。
さらに良かったのは、世界を知らないことを肯定的に描いて、なにも知らなくても周りには仲間がいて、楽しく過ごせる時間があることを登場人物みんなが知っていること、ダメな弟ですら姉を寂しく思う気持ちから行動に移すというように、周りの人とのかかわりを前向きに描いてきたことが、最後の漫画内でのやり取りをまたうれしく、そして彼らがこの世界にいないことを寂しく思わせるんですよね、、、、
うれしかったのは、越前さんが現実世界での恋愛につながるようなエピソードを盛り込まなかったこと。ラストではらちゃんそっくりな男性とか出てくるエピソードだったら、ちょっといやだな、、、と思っていましたが、傘をさすはらちゃんが出てきたので、ほっとした気分です。
続編は単純に見たい気もするけど、次は二人が別れるようなエピソードでないとつながらないので、この心地よい余韻のまま終わるので良いかな、、、と少し自分を納得させている感じです。こういう連続ドラマならではの面白さを、「サキ」の制作チームには感じ取ってほしいなあ。