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Electric Sheep

徒然なる日々の記録

「90ミニッツ」の感想

改めてきちんと書こうと思います。

  • 公演日12/4(日)18時開演

フロアにはたくさんの花がありました。先日見た「ステキな金縛り」関連の花も多くありました(撮影禁止だったので、写真はありません)。
作品は題名の通り90分、休憩なしでノンストップで進みます。西村さんと近藤さんの二人芝居はもちろん「笑の大学」以来ですが、その作品同様に二人の対立軸を描いていきます。そのテンションが高いレベルで維持されたまま、最後に両者の思いがどうなるか?という進み方をしていきます。
ネタばれしないと、正直書きにくいです、すみません。そうしないようにと思ったのですが、、、、、
以下は芝居の内容に触れていくので、ご容赦ください。
設定は病院の整形外科副部長(西村)と、子供の父親(近藤)という設定です。発端は子供が交通事故で病院に搬送されたところから始まります。通常の処置を行いたい病院ですが、父親から輸血の承諾書がもらえないことから、その説得作業が副部長に依頼されます。承諾書にサインをしない理由は宗教上の理由でした。ここから、説得を図る副部長と、宗教上の理由とその環境で生活する制約をもとに、輸血をせずに手術を求める父親との対立が丁々発止で進んでいきます。ここは多少笑いを挟みつつですが、それぞれの主張に肉付けがされていきます。
みていると、どっちが正しいとか間違っているという観点でみる気持ちが薄れていきます。だんだんどっちが折れるのかな?とかどう折り合いがつくのかな?とかそういう気持ちが高まりながら、観ていました。
面白いのは、急に父親の主張の方針転換から対立軸のずれが始まったところが、さらにこの結末がどうなるのかの関心が高まっていきます。ここは副部長の「なぜ、こうなったんだ?」が妙にリアルに感じられて面白かった。承諾書をめぐる動きはここから子供の容体悪化に伴って、両者が追い詰められていく様子が演じられます。病院としての立場、副部長個人としての立場からリスクを冒さない副部長と、ある意味ずうずうしい父親の対立も違った観点で緊張感が保たれていきます。
結末は正直救われる部分もあるし、苦さも残るしいろいろなものが観る人に残ると思います。舞台設定の「水」が意味を持っていることに気がつくのは、自分はしばらくたってからでした。鈍いw
宗教上の理由は自分にはまったく理解できないし、それを信仰する人をどうこう言うつもりもありませんが、こういう主張はきっと価値観とかいうもの以前の『何か』があって、それはその立場でないと絶対にわからないだろうなと。ただこの作品も肯定や否定でなく、どうこの溝が埋まるのかとか、どう折り合いがつくのかとか、そんなものを意識させつつラストの瞬間にいろいろなものが吹っ飛んで終わりました。決して心地よさばかりではないです。でもこの90分間の緊張感で感じたものはずっしりと自分の中に残りました。で、また味わいたいと思える緊張感でした。
べた褒めするつもりは、正直あまりなかったのですが、先日「ステキな金縛り」でちょっとがっかりした気分を味わったので、その反動もあってか気分高揚のまま今日まできています。この記念イヤーですが前作の「ベッジ・パードン」といい、いい舞台を観ることができて良かった。今年最後の芝居がこれで良かったです。