Electric Sheep

徒然なる日々の記録

NODA・MAP「ロープ」を見ました

これから見る人用に内容については、一応たたみます。
渋谷に着いてびっくりしたのは、ヨーロッパ企画の面々が会場にいたこと。野田秀樹見るんだなあと思って。それは普通なんですが、なんと立ち見席用に並んでいたので、それにびっくり。諏訪雅さんとか普通の格好で並んでました。他のお客さんは気がついたのだろうか?土曜日午後なので、お客さんの入り方も良かったです。
あとはネタばれこみで。
プロレスの世界での「八百長」と世界各地での紛争などを絡めたストーリー展開は、多分NODA・MAPの作品の中でもかなりわかりやすい展開。タマシイ役の宮沢りえさんはこのストーリーの実況(語り)となっています。話の導入は引きこもりのプロレス団体の跡取りであるヘラクレス・ノブナガ(藤原竜也)と宇梶剛士演じるグレイト今川のマッチメイクから、動いていきます。団体の仲間なのはカメレオン役の橋本じゅん、レフェリー役の松村武。そしてその引きこもりを取材しようとする弱小CATVのスタッフ(野田秀樹三宅弘城)とその妻(渡辺えりこ)。このマッチメイクの流れがいつの間にか引くに引けない国際社会での日本や各国の思惑、そしてタマシイの出生であるベトナムでの虐殺とつながっていく流れはすばらしい展開でした。傍観者であり、実況者であったタマシイが自分の出生について知り、また引きこもっていく流れは何ともいえずさみしい余韻が残ります。ちなみにプロレスラーの野上彰さんは本当にプロレスラー役です。でも以前ほどの体つきではなくなってましたね、ちょっと残念。新日本プロレス時代のすごさがわかるだけに。逆に宇梶さんはすばらしい体つき。さすが元ヘッド。お父さんのバックドロップでしたっけ、出ているだけありますね。
二人の試合が始まってからは、ストーリーテンポも良く、勢いで一気にラストまで見せていきます。ストーリーのキーマンである「ユダヤ人のオーナー」という意味深ぶりが野田流の皮肉に思えて楽しいです。今回は笑えるというよりはストーリーのわかりやすさとテンポの良さに引き込まれたので、約二時間、あっという間に終わりました。
今回のストーリーにしばしば出てくる「あったことをなかったことにする」というフレーズの意味が後半のベトコンシーンで一気に形を表します。実は帰りの山手線でベトナム戦争での枯葉剤の影響で結合された双子として産まれたドクさんが結婚というニュースを見て、余計に舞台上での宮沢りえさんの実況が思い出されます。と同時にだれが仕組んだ筋書きに踊らされているのかという、むなしさも良く伝わってきました。ラストの藤原さんのセリフはある意味、きれいごとではありますがその思いがなくなってしまったら、寂しいなあと思うものでもありました。引きこもったタマシイが再び世に出る、そういう余韻を感じさせる締めくくりです。
宮沢さんは、だいぶ喉を痛めていました、セリフは聞き取れますがだいぶかすれていました。この時期の風邪は大変でしょう。頑張っていただきたいものです。
藤原君はレスラーにするのはさすがに厳しいかな(笑)。途中からの筋書きに乗る乗らないといった展開からは見応えがありました。さすが秩父の星!
野田‐三宅‐渡辺のラインは楽しいやりとりが多く、いい空気で絡んでいました。逆に宇梶さんはもったいなかったかな。前回の「贋作・罪と罰」でもそうですが、もっといっぱい絡むと面白そうなんですけどね。立ち位置が逆なので、難しいところはあります。宇梶さんで赤鬼やったら面白そうだな。多分WOWOWで放送してくれると思うので、またそのときにじっくり見て楽しみたい作品です。