Electric Sheep

徒然なる日々の記録

星野道夫メモリアルプロジェクトat日本未来科学館

ということで、8/12に行ってきました。場所はお台場のテレコムセンターすぐそばの日本科学未来館です。
この企画はもともと星野さんが、アラスカで交流の深かった先住民族リンギットのボブ・サムさんが、現地にトーテムポールを立てたいという話からスタートしたものです。特集記事が掲載されることが多かった雑誌「Switch」もこの企画に協力して、このイベントが開かれました。
自分も始めて星野さんに触れたのは「Switch」が初めてでした。そのときに一緒にいた女性と書店で偶然雑誌を見かけて、ぱらぱらと何気なく開いたんですけどね、、そこに出ていた無数のカリブーを空撮?した写真がすごく印象に残って、、そのままレジに持っていった。なんか興奮したんですよね、その切り取られた自然の瞬間に。そこから著作はいくつか読むようになりました。
12日のイベントは二部構成で最初は友人の作家池澤夏樹さんが星野さんとの交流を語り、後半は女優の山口智子さんが星野さんの作品を朗読、さらにボブ・サムさんが現地の神話をストーリーテリングするという内容でした。

これは今回のイベントで参加者に配布されたカタログです。スイッチ・パブリッシングで作成していて、すばらしい内容になっています。写真、コラムなども非常に充実しています。
18時開場で整理番号順の案内。会場(未来館の7Fにあるイベントホール)は300人のキャパで自分は整理番号107番。比較的良い席に座ることが出来ました。元々セミナー用の会場みたいなので、座席には収納可能なテーブルがあり、メモをとるのも楽でした。
実はチケット購入者は未来館の常設展示を見ることが可能でした。理科を教えている自分としては非常に興味があったのですが、、、行く時間がちょっと遅すぎました。とても残念です。でもASIMOとか見たかったなあ、、、
あとは事前購入者はメールで応募して当選すると、あの大平貴之さんが作られたMEGASTARのアラスカ特別プログラムを見るチャンスがあったんですよね、、すっかり忘れていました。これも見たかった(あとでMEGASTARは少し見ることが出来るんですが)
さて、前半部分を簡単に。
最初に以前TBSで放送された「未来からの贈り物」という番組のVTRを流しました。おそらくこの番組は池澤さんの書かれた「未来圏からの風」との連動企画じゃなかったかな?インタビューしている方も他にはたしかダライ・ラマとかだった気がする。
この番組に星野さんが出たときのインタビューの様子を約10分ほど流していました、その中で星野さんが話した言葉「アラスカは自分の一生が短いことを教えてくれる場所」というのが印象に残りました。自然の大きさをどれだけ感じているんでしょうか、、
そのあとで池澤さんが登場。池澤さんが星野さんについて語るのは、この10年かなり多くあったと思います。自分も以前新宿での講演会に行って、星野さんのことについての話を伺ったことがあります。星野さんに関しての著作もスイッチ・パブリッシングから数冊出ています。でもまだ一杯あるんでしょうね、、また繰り返し伝えておきたいことが多くあるんだと思います。
死をも含めた自然と人間の共生という話が、多かったと思います。本来そうあるべきものから「人間はどれだけ自然から離れてしまったのか?」という投げかけに変わっていました。
この話は理科を教える自分には結構響きます。科学的な観点と自然社会との結びつき、、、本来両方を持っていなくてはいけないものなんですよ。それを教えていかなくてはいけないんですが、、、、まあそれは学校に委ねますか。
というような話が約40分弱。休憩15分後に、山口智子さんが登場。
照明無し、蝋燭の光で山口さんは星野さんの著作を朗読しはじめました。多分「旅をする木」からだと思います。うろ覚え、、、
山口さんは星野さんの死後に写真や著作に触れて、深い関心を持たれたようです。蝋燭の明りで読書をしつつ、他にもいろいろなお話をされていました。例えば「黒」という漢字の語源とか。(下の点が火を表し、上のつくりはモノを焼いて、それによって出来たススを表しているということです)
大体時間にして30分程度かな、、途中星野さんの写真のスライド上映を交えながら朗読は終了。途中観客席のほうにも動かれたりしながらの山口さんでした。暗いので表情が少し見えにくかったのが、残念。
最後はボブ・サムさんのストーリーテリング。同時通訳はなしでお話を聞きました。大まかなあらすじは配られたパンフレットにありました。

世界を創ったワタリガラスは海から昇ってくる魂の火を採って来るようにタカの若者に頼みます。タカはワタリガラスの頼みを受け入れ、火を採りに飛び立ちますが、途中その火に顔を焼かれ苦しみながら戻ってきます。『勇気を持て、お前はその苦しみゆえに世界の人々を救うのだ』ワタリガラスはタカを励まします。ワタリガラスはタカから手に入れた火を世界中のあらゆる場所に投げ込み、木々や人々は『魂』を持つようになったのです。
星野道夫メモリアルプロジェクトカタログより)

このときに大平さんのMEGASTARを背景で上映しながら、語りが続きました。
約30分くらいかな、、最後にもう一度ボブ・サムさんが出てきて、「星野のために黙祷をささげて欲しい」ということで参加者みんなで黙祷。あとは星野さんのトーテムポールに記したいということで作った創作物語を披露して、イベントは終了。
最後は21時40分くらいだったので、約2時間半くらいでした。池澤さんと山口さんも客席後方でごらんになられていました。
思うところは一杯あって、今自分は仕事として塾の先生だから、受験のための理科を教えているけど、少なくとも科学的な理科の世界とは別にこういう感覚で生活する社会があることを忘れてはいけないし、そういう感覚を失ってはいけないということを改めて実感。でもそれは単に科学的に理解するということではなく、そういうものを受容しつつでも理科的な視点が共存できる。そういうバランス感覚を失わないようにしたいと、痛感。技術と感性の乖離だけはしたくないものです。

科学館で見た雨上がりの太陽。ちょっといい感じに見えたので、、、

旅をした人―星野道夫の生と死

旅をした人―星野道夫の生と死

ノーザンライツ (新潮文庫)

ノーザンライツ (新潮文庫)

表現者 (Switch library)

表現者 (Switch library)